腕時計の防水について解説いたします。
弊社ではオーバーホールの際に時計に応じて最大10気圧までの防水試験を行っております。
ただし、防水検査は防水性を保証するものではございません。防水性はご使用方法や経年により低下する恐れがあります。
防水性回復に努力はさせていただいておりますが、ケース、裏蓋、リューズ等の錆や劣化により回復しない場合もございます。
特に古い腕時計(~1980年代あたり)については、非防水ととらえてご使用下さい。
10気圧以上の防水時計の多くはねじ込み式リューズになっています。リューズのネジ山が破損したり、摩耗しねじ込みが浅くなると当然防水性が下がってくることがあります。
防水性の低下は外見から判断することはできません。そのため、防水時計と思い水に注意することなく使用して、ある日突然たくさんの水が混入してしまう場合もございます。
文字盤や針の交換は外装になってしまうため、入手できるのは一部のブランドに限られます。リューズも同様で入手できたとしてしても部品が高額な場合が多いです。ねじ込み式リューズの操作も丁寧に行うことをお薦めいたします。
防水時計でもご注意が必要です。以下ご参考くださいませ。
濡れた状態でリューズやプッシュボタン操作をしないでください。
時計内部に水気が入る可能性がございます。濡れている場合はふき取ってください。
濡れたままにしておくと隙間に汚れが溜り錆、防水不良の原因となります。特に海水が付いた場合は真水で洗ってからふき取ってください。入浴やお風呂・温泉・サウナでは使用しないでください。
高温の状態や温泉成分が金属の変色・腐食を引き起こしたりパッキンの劣化を早める可能性がございます。水垢や石鹸カスが溜ることで錆、防水不良の原因になります。勢いよく水道から水をかけないでください。
日常生活強化防水の時計でも、水道の水圧によっては水気が入る可能性がございます。防水時計でも海での使用は慎重に
海で使用される場合はメーカーでの防水チェックを強くお薦めいたします。 海で使用したり、着用したまま泳ぐことはリスクが高く、使い方次第では水が入る危険があります。 特に海水が入ってしまうと錆が早く進みます。表記のない時計や古い時計・また防水表記のある時計について、 どの程度水分・湿気に耐えられるのかご紹介いたします。
非防水時計、古い時計
裏ぶたに、WATER RESISTの表示がないものは、直接水に触れないよう注意してご使用下さい。 また、防水時計であっても製造から30年が経過した時計は、非防水とお考えください。防水性能が低下しています。2~3気圧防水(日常生活用防水時計)
日常生活での汗や洗顔のときの水滴、雨などに耐えられるもの。 水仕事、水遊び 潜水などには使用しないように気をつけてください。5気圧防水(日常生活用強化防水時計)
水に触れる機会の多い水仕事や水上スポーツをされる方にお使いいただけます。水圧の激しいシャワーや水道水が直接時計に当たらないようご注意下さい。10~20気圧防水(日常生活用強化防水時計)
水上スポーツや水泳及び素潜り等をされる方にお使いいただけます。 ダイビングには使用しないでください。100m~200m防水(空気潜水時計)
表示されている水深(例:100m)までの耐圧性と長時間の水中使用に耐える防水性を備えています。 潜水時間、減圧時間を測定するのに必要な回転ベゼルなどの装置付で、 ボンベに圧縮空気の呼吸気体を入れて浅海で潜水する時(スキューバダイビングなど)に使用する時計です。 飽和潜水用に使用することはできません。200m~1000m防水(飽和潜水時計)
表示されている水深(例:300m)までの潜水に耐える防水性を備えています。 潜水時間、減圧時間を測定するのに必要な回転ベゼルなどの装置付で、 ヘリウムと酸素の混合ガスの呼吸気体を利用し、深海で潜水する時(飽和潜水)に使用する時計です。閉じる